Search

占拠の原発巡り、露の名指し削除 NPT再検討会議最終文書案 - 毎日新聞 - 毎日新聞

国連本部=米ニューヨークで2022年8月16日、隅俊之撮影 拡大
国連本部=米ニューヨークで2022年8月16日、隅俊之撮影

 米ニューヨークで開かれている核拡散防止条約(NPT)再検討会議で、スラウビネン議長は25日、採択を目指す最終文書案の改定版を示した。ロシアがウクライナ南部で占拠するザポロジエ原発について、ウクライナの管理下に戻すようロシアを名指しした部分は削除された。ロシアによるウクライナ侵攻や核軍縮の約束などをめぐり加盟国の溝は残っており、26日の最終日に向けて交渉が続く。

 ザポロジエ原発周辺では砲撃が相次ぎ、重大事故の懸念が強まっている。改定案では、周辺での軍事活動によってウクライナ当局が原発を管理できなくなっていることに「重大な懸念」を表明。一方で、「ウクライナ当局による(原発の)管理の確保」が重要だと強調するにとどめ、ロシアに対し、名指しで要求することは避けた。

 さらに、核軍縮をめぐり、核攻撃を受けない限り核兵器を使わない「核の先制不使用」政策を核保有国に求める記述も削除された。また、改定前の草案では、米露英仏中の核保有5大国が今年1月に共同声明で「核戦争に勝者はなく、戦ってはならない」と確約したことを歓迎するとしていた。しかし、改定案ではこの確約への言及は削除され、1月の共同声明に「留意する」という表現に後退した。

 核兵器禁止条約については、条約が発効し、締約国会議が開かれたことを「認識する」との表現を維持した。ただ、核禁条約の推進国が求めているNPTとの補完性など条約の意義については盛り込まれなかった。

 一方、中国が懸念を表明していた、米英豪の安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」によるオーストラリアへの原子力潜水艦の導入については、中国の意向が反映された。改定案では「加盟国の間で関心を呼んでいる」との表現に加え、国際原子力機関(IAEA)の関与について表現が強められた。【ニューヨーク隅俊之】

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細
https://ift.tt/xcqI95M
世界

Bagikan Berita Ini

0 Response to "占拠の原発巡り、露の名指し削除 NPT再検討会議最終文書案 - 毎日新聞 - 毎日新聞"

Post a Comment

Powered by Blogger.