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中国、半導体供給で韓国の対米傾斜けん制 外相会談(写真=ロイター) - 日本経済新聞

【ソウル=恩地洋介、北京=羽田野主】中国を訪れている韓国の朴振(パク・ジン)外相は9日、山東省の青島で王毅(ワン・イー)国務委員兼外相と会談した。米中対立が激化するなか、中国側は半導体のサプライチェーン(供給網)を巡り、韓国が米国に傾斜しすぎないよう注文を付けた。

韓国で5月、尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権が発足してから、外相の訪中は初めて。聯合ニュースによると、王氏は会談の冒頭で「中韓両国は独立自主を堅持し、外部の障害と影響を受けてはならず、互いの重大な関心事項に配慮しなければならない」と述べ、米国との同盟強化を掲げる韓国をけん制した。

王氏は冒頭から半導体供給網のあり方に言及し「安定的で円滑な供給網と産業網を守らなければならず、互いの内政に干渉してはならない」と強調した。韓国メディアによると、バイデン米政権は最近、半導体供給に関する日米と台湾の協力枠組みに加わるよう韓国に呼びかけた。韓国側には、近く開かれる予備会議に参加する考えがあるという。

日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、中国の半導体の輸入先で、韓国は台湾に次いで2位だ。韓国と台湾の合計で中国の半導体輸入額の過半を占める。韓国が日米や台湾との協力に傾けば、中国は調達市場から閉め出されかねないと身構える。

中国共産党系メディアの環球時報は9日付社説で「韓国がバランスと矯正作用を発揮できると国際社会は期待している」と主張した。王氏の発言は韓国側に自制的な対応を促す狙いとみられる。

尹政権は米中の対立が深まるなかで外交的な立ち回りに苦慮している。尹氏は台湾を訪れたペロシ米下院議長が訪韓した際、会談を見送った。経済で依存する中国との対立は回避したい姿勢がにじむ。

中国側は韓国をひき付けておくことに戦略的な価値を見いだしている。共産党幹部の人事を決める秋の党大会を控える習近平(シー・ジンピン)指導部は対外関係の安定を目指していたが、ペロシ氏の台湾訪問をきっかけに米欧や日本との溝を深めてしまったからだ。

8月は中韓の国交樹立から30年の節目だ。両国は記念行事などを利用し、互いの関係を安定的に維持しておきたい思惑で一致している。朴氏は会談の冒頭で、中国の習近平国家主席の訪韓実現に期待を示した。

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