台湾総統、中国に「軍事的手段を取るな」と呼びかけ新年談話 - 毎日新聞 - 毎日新聞

新年の談話を発表する台湾の蔡英文総統＝台湾・台北市の総統府で2022年1月1日午前8時45分、岡村崇撮影

　台湾の蔡英文総統は1日、新年の談話を発表した。台湾への軍事的な圧力を強める中国の習近平指導部に対し「軍事的な手段は、断じて、両岸（中台）の問題を解決する選択肢ではない」と呼びかけた。また環太平洋パートナーシップ協定（TPP）への加盟に向けて、全力を尽くす考えを示した。

　習指導部は台湾統一を悲願とする。台湾メディアによると、2021年に中国人民解放軍の戦闘機など延べ940機以上が台湾の防空識別圏（ADIZ）に進入。台湾海峡で軍事的緊張が高まっている。蔡氏は、中国の軍事的、外交的な圧力には屈しないと改めて強調。中国に対し「情勢の判断を見誤るべきでない」と軍事的な圧力を抑制するよう求めた。そのうえで「双方が平和的な方法で問題に向き合い解決方法を探ってこそ、地域の緊張緩和につながる」と対話を呼びかけた。

　TPPを巡っては21年9月、中国と台湾が相次いで加入を申請した。新規加入には加盟する全11カ国の承認が必要。蔡氏は「加盟国の支持を得るために全力を尽くす」と強調した。

　また蔡氏は、香港問題にも言及。21年12月に香港の民主派ネットメディア「立場新聞」が香港国家安全維持法（国安法）の規定に基づく資金凍結で事業停止に追い込まれたことに触れ「民主と自由を追求することは犯罪ではない。台湾が香港（民主派）を支える立場は変わらない」と訴えた。【台北・岡村崇】

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