「核戦争回避は責務」核保有5大国が共同声明 - 毎日新聞 - 毎日新聞

核兵器廃絶を巡り、核保有国と非核保有国の対立が続くNPT再検討会議＝国連本部で2015年5月13日、草野和彦撮影

　米露英仏中の核保有5大国は3日、核戦争の防止と軍拡競争の回避が重要だとして、「核戦争に勝者はなく、決して戦ってはならない」と確認する共同声明を発表した。

　米露、米中対立を受けた核戦力の強化や核軍縮の遅れに対する国際社会の懸念が強まる中、核保有5大国として核戦争のリスクを回避する統一した意思を示す狙いがあるとみられる。中国外務省の馬朝旭次官は「5カ国の指導者が初めて核兵器について発表した声明だ」と意義を説明した。

　共同声明は「核兵器が存在し続ける限り、防衛、侵略の抑止、戦争の予防を目的とすべきだ」と強調。「核兵器保有国間の戦争回避と戦略的リスクの軽減」を最も重要な責務と確認した。また軍拡競争を防ぐために、2国間や多国間での合意の順守が重要だと説明。核拡散防止条約（NPT）で定められた核軍縮交渉を誠実に行う義務を守ることも強調した。

　米ニューヨークの国連本部では4日から、NPT再検討会議が開かれる予定だった。新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の影響で延期されたが、核軍縮が停滞する中、核保有5大国が統一した意思を示すか注目されていた。【ニューヨーク隅俊之】

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