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群衆はなぜ空港に残る 大混乱でも消せないいちるの望み [アフガニスタン情勢] - 朝日新聞デジタル

 アフガニスタンの首都カブールの国際空港周辺では、10日間以上にわたって混乱が続いている。空港周辺には群衆が集まっていて、国外退避の対象となったアフガニスタン人が自力で空港のゲートにたどり着くのは容易でない。なぜ空港の混乱がやまないのか。

 タリバン執行部は、多くのアフガニスタン人が国外脱出を図っていることについて「国にとどまってほしい」「(国外退避の対象であることを示す)書類を持っていないアフガニスタン人は空港に行ってはいけない」(ムジャヒド報道担当幹部)と要請している。一方、国外退避の対象となったアフガニスタン人が空港に行くこと自体は禁じていない。

 問題は、その方針を現場のタリバン戦闘員たちが理解しているかどうかだ。住民によると、空港周辺ではタリバン戦闘員が複数の検問所を設け、空港に近づこうとする人々を追い払っている。SNS上には、タリバン戦闘員が群衆に威嚇発砲したり、追い回したりする映像が拡散している。

 そもそもタリバンの中には、読み書きができない戦闘員が多いとされる。国外退避の対象者であることを示す書類を示したとしても、それを戦闘員が直ちに理解できているか分からない。

押し寄せる人の壁、発砲事件も

 仮に書類が真正なものだと認められ、空港に近づくことが許されたとしても、空港のゲートは数千人規模の群衆で埋めつくされている。群衆の規模は政権崩壊直後よりは小さくなったものの、人垣を押し分けてゲートに近づくのは危険が伴う。

 地元メディアによると、空港周辺では政権が崩壊した15日以降、少なくとも市民ら25人が死亡した。タリバン戦闘員による威嚇発砲で群衆がパニック状態に陥り、踏みつけられたり心臓発作を起こしたりして死亡するケースが相次いでいる。

 また、空港のゲート近くでは23日早朝、アフガニスタン人の警備員に向かって何者かが発砲する事件も起きた。AP通信などによると、米軍やドイツ軍なども巻き込んだ銃撃戦に発展し、警備員1人が死亡、3人が負傷したという。発砲したのが誰かは明らかになっていない。

いちるの望み

 こうした事情から、現地の米…

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